MEMO Copy of misatokimura 木村美智のホームページ

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02/15 '12 今年もヤツがやってきた

外を歩いていたら、水道管の工事をしていました。横をすり抜けたのでその現場を間近に見たのですが、
地面に長方形に掘られた穴の中に、2mくらいの灰色の太い管を横たえているところでした。
なんだか目に焼き付いて、棺が埋葬されるところのようだなと。
でもあの灰色の管は、地中に埋められて初めて仕事をはじめるのです。

家に帰ったら、今年の花粉症になっていました。









02/13 '12 考えていた時間の分長くなってしまった

昨年の秋に日生劇場にオペラ『ドン・ジョバンニ』を観に行ったことからずっと劇場について考えている私がいたので、
ここに書くことにしました。

オペラ自体、興味深く観させて頂いたのはもちろんのことなのですが、
私がその後も気になって仕方がなかったのは、劇場のことなのです。
日生劇場に行ったのは覚えている限りでは初めてだったのですが、好きになってしまった。
客席に入ると、劇場は波打つような白い壁面にアコヤ貝やガラスが一面埋め込まれていて、海の底を表現しているのかなーと
私がそう感じただけで作った方が何を意図されたのかはわからないのですが…
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それから、休憩時間にお手洗いや売店へとぽこぽこ歩いていたら、あれってシャガールじゃない?という
タペストリーが掛かっているのです。「えーっ!」と思ったのですが、友人たちと一緒だったので、
自分勝手に動いてかじりついて見たりせず、少し遠巻きに凝視しました。
初めて見る図柄だったし、こんなところで会うなんて!と興奮を覚えました。

そうして見てみると劇場内は美術品がたくさん飾られていて、佐藤忠良の『立つ少女』もロビーに!
(絵本の『おおきな かぶ』の挿絵も有名ですよね。小さい頃から目に入っていた名前です。)
気になる作品が色々あって、また見に行きたいなーと思っています。

私は建物の専門でも劇場の知識が豊富なわけでもないので、細かいことはわからないのですが、
無機質な劇場より、その劇場なりの色を持つ、どちらかというとこってりした感じの劇場が好きです。
なんとなく、その劇場を作った人の愛着を感じます。

ロンドンでも、ミュージカルやオペラ、ピアノコンサート等を観に行き、いくつかいいなと思う劇場がありました。

まず、
Her Majesty's Theater  オペラ座の怪人を26年間上演し続けている劇場です。
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イギリスって感じの、古い劇場です。客席は狭くて、吹き抜けのように縦長な印象ですが、
装飾やずっしりとした雰囲気がいいのです。
(舞台はフランスですが)その雰囲気ゆえ、容易に怪人とクリスティーヌのいるその劇場に
自分たちがいるように錯覚することができます。
天井に高さがあるので、シャンデリアが落ちていく場面も圧巻なのです。
初めて見た時は、友人ときゃあきゃあとどれだけ怪人に恋したか言い合ったものです。
3回は観に行きました。

そして、
Wigmore Hall こちらも、歴史のある小さな劇場です。現代音楽のピアノ演奏を聞きに行きました。
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音楽神を中心とする天井画は美しく、落ち着いた雰囲気で、演奏者と観客の一体感を感じます。
また、劇場前の通路がなんとも好きでした。数年前のことなので記憶は曖昧かと思いますが、
目を閉じて思い出されるのは、バルコニーのような部分、階段の手摺などの、
使い込まれたカラメル色のニスを纏った木の暖かい重厚感。

間違った記憶だったらごめんなさいね。







02/10 '12 バレン

親戚の男子陣に渡すチョコレートを買いに行ったのですが、パッケージが可愛くてお気に入りになってしまったので、
あげる前にちょっとばかし開けて写真を撮るという不届き千万。

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だって可愛いのだもの。
色んなチョコレートがお店に出ていて楽しいときねー。
私が欲しいわ!







02/07 '12 ルドン

先日、三菱一号館美術館で開催中の”ルドンとその周辺—夢見る世紀末”展に行ってきました。
http://mimt.jp/redon2012/

まず、今回の目玉でもある”グランブーケ”に代表される、円熟期を迎えたルドンの華やかな色彩のパステルや油彩画に惹かれてこの展覧会に足を運んだ訳なのですが、
彼の画歴の前半の黒の世界も、暗いのですがどこかひょうきんで不思議で面白かった。

ファンタジックで可愛らしい世界が好きな私は、数年前まではできるだけグロテスクなものなどを見ることを避けてきたのですが、
ロンドンでは物怖じせずに様々なアートにできるだけ触れようと本当にたくさんのものを見に行って
(そこにはクラシックな油絵はもちろんのこと、とても新しい感覚の日本ではなかなか見ることができないようなグロアートも盛りだくさん)、色々な目を養いました。
その結果、シュールレアリスムの不可解な感じも、理解はなかなかできなくても、本当に面白いと思うようになりました。
”アンダルシアの犬”も興味深く観てしまうほどの成長っぷりです。(目を傷つける場面以外)

というわけで、そのルドンの黒の世界が私にハマったということなのです。
その絵を描いたときの時代背景や、意味を知れば知るほど面白いです。
オーディオ解説を借りるか、図録を読むことをオススメします。

パステルなどの色彩画はもちろん素敵で、美しく素朴だったように思います。フランスらしい色使いだなと。こちらも大好きでした。

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こちらの美術館、チケットの図柄は二種類あるようです。少しのことでも、なんの面白味のないチケットより嬉しいものです。







02/03 '12 すなわち立春の前日

近所の幼稚園から声が聞こえてきたのですが、先生が、みんなの中にいる鬼を追い出しましょう
子どもたちに呼びかけていました。
「朝、寒くてお布団から出られない鬼」や、「にんじんが嫌いで食べられない鬼」などがそれのようです。
私の中の食べ物の好き嫌い鬼は全部出て行ったようで、今は何でもよく食べます。
「食べ過ぎ飲み過ぎる鬼」を追い出さないと深刻な問題になります。

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雪の降った日に子どもたちがつくったいくつかの雪だるまは、数日経って
とても奇妙なバランスをもったオブジェに変わりました。
不安定な点の上に立っているのに、まったく揺らぐ気配がなく、不必要なものがそぎ落とされていっているような、
そんな静かな鋭いものを、きんと冷たい空気の中に感じます。






01/17 '12 ポンポン

時々、冷蔵庫からポンッ(コンッ)という音が聞こえるのはなんなのでしょう?
小学生くらいの頃、家族旅行に行った先で寝付けずにいると、隣の部屋からポンッポンッという音が不規則に聞こえてきた。
私は、何ものかがまな板を棒状のものでたたいているという想像がふくらんでさらに眠れなくなるという悪循環に陥り、
隣に寝ていた母を起こしたのですが、「目をつむれば眠れるわよ」と、一言告げて母はまた眠ってしまいました。

昨日も今日も冷蔵庫は鳴っていました。







01/15 '12 壽 初春大歌舞伎

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先週、初春大歌舞伎を見に行ってきました。演目は、

一、歌舞伎十八番の内 矢の根
二、連獅子
三、神明恵和合取組 め組の喧嘩

矢の根は剛力の様子の曽我五郎の隈取り、衣装替え、馬や、生き霊の演出もあって、歌舞伎の見所が満載という感じでした。
目にも楽しく華やかな舞台。
中村富十郎一周忌追善狂言の連獅子、鷹之資と吉右衛門の連獅子でした。両獅子の首振りは見物で楽しかった。
松の木と紋付の唄いとお囃子の背景もとてもよかった。
そして、め組の喧嘩。大勢の鳶たちと立派なお相撲さんたちのてんやわんやの喧嘩です。
小気味のよい言葉を飛ばし合い、威勢が良くて本当にかっこよかったー

歌舞伎ではけっこう暗い話しも多いと思うのですが、やはりお正月なので、明るく華やかな演目ばかりでした。
着物の人もいつもより多いような、そして心なしかよそ行きのお着物のような。

やはり日本人、日本の文化はいいなとしみじみ思います。

来月は、勘太郎改め勘九郎襲名披露公演を見に行きます。







01/02 '12 軒のはの 嵐の風はさわげども 春を覚ゆる 家の内哉

新年あけましておめでとうございます。
静かで穏やかないいお正月を迎えることができました。
昨日は何本も夢を見て、どのように今年を占う初夢とするかという話しになってますが、
全部を前向きに考えてみたら、すごくいい一年になることとなりました。
初夢に負けないように頑張ります。

ところで、題にした詩、元旦にひいたおみくじに書いてあったものです。親類縁者に心平和に接すれば、
春風の吹くように穏やかでいられる、他人に尽くしなさいという意味です。
本当にその通りですね。

今年もどうぞよろしくお願い致します。






11/09 '11 どちらも同じように

先日両親に贈った結婚記念日のお花。
そのおまけにもらった一本のガーベラも、同じようにお祝いしてくれています。
うちに来て、曲がっていた首がぐっと伸びました。

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11/08 '11 くさくて美味しいもの


時間があると、散歩をします。
といっても、ただ歩き続けているとなんだか途中不安になって帰りたくなってしまうので、どこか近場に目当ての場所や見たいものを決めて家を出ます。

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近所の小さな神社

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ころころと銀杏の実

神社で拾った神様からの頂き物。ちょいとくさいけども、じくじくの部分を剥いて洗って乾かして、
煎ったり、封筒に入れてレンジでまわすと、つやつやした翡翠色の実に出会えます。
お酒のアテにして一杯。
神様ありがとうございます。







11/07 '11 さよならはしたくない

私事なのですが、先日ついにスマートフォンに変えました。
どうもスマートフォンのデザインが好きになれなくて、機械っぽすぎるのと、未来(現代)っぽすぎるのがどうも気にくわなくて…。気に入るスマホが出てくるまでじっと待ちました。wait a minuteと画面に出たまま30分は待たないと電源が入らなかったり、もう完全に危なくなるまで数年間、以前の二つ折り携帯をだましだまし使っていて、幾度となく友人に「スマホに変えないの?」と聞かれたものです。
それに、それまで使っていた二つ折りの携帯を敬愛していて、壊れるまで変えることなんて考えもしなかったということもあります。

この二つ折り携帯とは、苦楽を共にした仲でもあります。ロンドンに留学時代、降り立ってまだ二週間目、まったく慣れていない頃にロンドンアイ周辺で彼は私のポシェットの中から誰かに持ち去られました。日本の携帯なんて持って行ってもどうしようもないのに…。
日本との連絡が簡単にできなくなってしまったと思うと本当に不安で、それから空き時間さえあれば携帯会社のワールドサービスなるものにいろんな場所から電話をかけ、必死のことで、また二週間くらいして同じ子がロンドンに届きました。その時の喜びと安堵感は非常に大きかった。
それから、学校では携帯を出す度に色々な国々の生徒たちから、「メールの絵が動いてるじゃないか!さすがJapanese products!!」と言われ、アート系の先生には、「このフォルム、この文字、このテクスチャー、さすがJapanese design!!」と何度も言われ、なんとなく鼻高々。この携帯くんが、自分の生まれた国を誇りに思える瞬間を何回も与えてくれたのでした。

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これがその子。

まださよならはしたくないので、アラームになってもらうことにしました。
新しいスマホくんも早く手になじんでくれればなと思います。



10/14 '11 期待の重み

カズオイシグロの「充たされざる者」がとても衝撃的だったという話しを知人から聞いてずっと読みたくて本屋に行く度に探していたのですがなかなか出会えず、著者の他の本を買ってしまうということを二回繰り返して、思わぬことにわりと近所の本屋さんでやっと出会うことができました。
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文庫本なのにこの厚み。ブロックみたいです。

私は乗り物の中で本を読むのが好きなのですが、こんな分厚いのを持ってたらなんかすごい厳ついみたいに見えてしまうかしら…? と考えつつも、他の二作も面白かったので、読み始めるのが非常に楽しみです。




9/20 '11 暑い日の神保町 

久しぶりに神保町散策に行ってきました。暑かったので、冷たいものでもと雑誌に出ていたカフェに行ってみたのですが、残念ながらお休み。でもそのビルには手動のエレベーターがあって、ガチャガチャゴトン、グラグラーとしてちょっとドキドキしましたが、レトロな感じがとってもよくてなんだか楽しかった。
手動エレベーター.JPG手動エレベーター

というわけでミロンガヌオーバへ行きました。ここも久しぶりでしたが、しっとり落ち着いた佇まいで、雰囲気がとても好きです。おしゃべりを楽しんでいる若い人達もいれば、一人で来て本を読んでいる男の人、向かい合いながらお互い本を読んでいるカップルなんかもいます。
最近はオリジナルのコースターや紙袋などやめてしまうところも多くて、急に変わってしまっていたりするととてもショックを受けるのですが、素敵なオリジナルコースターに会えました。

ミロンガコースター.JPGミロンガ.JPG喫茶店の洋食なんかも大好き

あとは本屋さん巡り、ろしあ亭で夕飯。ゆったりできました。





9/1 '11  すごく「夏!」

昨日まで、すごく「夏!」という感じの絵をこのホームページの扉にしていたので、もう9月になりましたし、夏っぽくはない絵に変えました。あまり時間がなくて簡単な絵になっているので、また秋らしいものを描きたいです。

季節感を感じることがとても好きです。

今は、あるコンペティションのようなものに作品を応募したいと思って毎日励んでいます。しかし今は、入選できるかできないか、より、自分の用意が間に合って、応募できるかできないか、の戦いになっているのは否めません。


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なにかに登頂したよー



8/30 '11  変な夢

先日見た夢。
私は何か舞台かなんかに出ている人なのですが、小学校の時の友人が楽屋に来てくれるというので待っていたら、人気の女優さんが応援しにきてくれて、すごく遠巻きに声を掛けてくれました。とても遠かったので廊下に出ていたのですが、いそいで楽屋に戻ると、もう小学校時代の友人は帰った後で、黄色いボールに油性ペンでメッセージを書いて置いてありました。
その後、自分のグッズが販売されているところへいくと、私がサインをするはずの山積みのサイン色紙全部に、その小学校時代の友人のサインがしてありました。


スケッチブックの中に見つけたらくがき

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きっとモテるんだろうなあ。